ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.2:練習からの足跡

僕はチームに入る前はカートなどを含めてもレース未経験だったので、速く走るためのドライビング技術のほとんどをZAP SPEEDで学びました。初めての練習で仙台へ向かう高速の中で真剣にコースレコードを出してやると考えていたのを覚えています。そのときは1周目の裏ストレートで全開にして、100メートル看板を過ぎてからブレーキをはじめ、もちろん止まれずにクルッと半回転して、後ろ向きのままグラベルに突っ込みました。グラベルに入ってもまだ脱出できると思い、1速に入れたりバックに入れたりしながら、むなしくタイヤを空転させていて、ふと見上げると丘の上には加藤さんがいて、早くどけ!と手で合図していました。その後も僕は練習生の頃はとにかくコースアウトが多く、4、5回に1回くらいしか、30分間コース上に留まっていることができませんでした。

今回、練習生の頃からの毎月のベストラップをグラフにしてまとめてみました。グラフにしてみても、最初の7月から9月まで6秒台から変化がないのは僕のコースアウト癖の結果です。自分がセナやシューマッハよりほんのすこ〜しだけ才能が少ないことに薄々気づきはじめてから、1本の走行を大切に最後まで走りきろうと思うようになり、タイムも徐々に上がるようになりました。

筑波に移ってからのグラフをみると、6,7,8月の気温が高い季節にタイムを上げているのがわかります。夏場にタイムが出ないというのはベストラップが2,3秒の段階では当てはまりません。そのくらいのタイムであればタイムの出にくいコンディションによる影響を成長が追い越して、ベストタイムを更新していけるということです。さらにここでの走りこみが効いてきて、その後の気温が下がってくる9,10,11,12月で一気にタイムを上げ、59秒台までくることができました。つまり涼しくなればタイムが上がるのはあたりまえのことで、練習生の頃は、その上がる上昇カーブをどれほど急にできるかが、夏場どれほど走りこんだかにかかっているのかもしれません。しかも、翌年開幕からレースに出たければ前年の11、12月くらいで、それなりのタイムが必要ですから、僕の場合02年でのレースデビューのために、01年の暑い時期にしっかり走りこんだのは正解だったと思います。

逆にレース組になってからは夏場、いかにタイムを落とさないかを考えます。その点、グラフを見ると02年の6,7,8月で見事に凹んでいて、そのタイムの落ち方も他の選手よりも大きく、レースでスランプになった時期とも重なります。具体的にはタイヤがタレてきてからのドライビングが苦手で、ブレーキでタイヤをロックさせてしまうことが多いです。これは今年の課題のひとつですね。あとは、ウェットコンディションだったレース以外は練習と予選のコンディションがそう大きく違ったことはないので、練習のベストラップより予選の方が遅いというレースがあるのもおおいに問題があります。

僕の場合、未経験からのスタートなので、カートで沢山のレースを経験してきた選手と比べると練習生の期間が長かったのですが、それでも時間がかかり過ぎたと思っています。特に初めの頃もっと早くに自分の未熟さを認めていろいろなアドバイスを受けていればよかったと思っています。今回グラフにしてみて、またあらためてそう思いました。
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□■ 鈴木規央 □■
生年月日:1977.12.4
血液型:RH+O

2003年
FJ1600筑波・もてぎシリーズ参戦
2004年
FJ1600筑波シリーズ参戦








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