アルミツインチューブ構造は歴史上重大事故が最も多く、カーボンモノコックが普及するまでは多くの死亡事故の実例がある事を歴史に刻んでいます。
今でもアルミツインチューブ構造のマシンを走らせているのはいまや日本のJAF-F4だけです。
FIAにより世界標準の保安部品として近年のフォーミュラカーには以下の物があります。
● モノコックのCFRP
● 前後ストラクチャー
● ホイールテザー
● ドライバー保護パッド
● エクストラクタブルシート
● Fail safe
● ADR
● ステアリングストラクチャー
FIA-F4、F3、Formula-Renaultには全て採用されており、JAF-F4にはJMIA UOVA4モノコック以外は未装着のままです。
アジア諸国で行われているフォーミュラカーカテゴリーを見渡しても、JAF-F4は最も安全対策が遅れたカテゴリーです。
2006年11月19日鈴鹿サーキット 130R出口〜シケイン進入
停止車両へ後続車両が接触しホイール及びタイヤが飛散。この時には飛散したタイヤホイールの後続車両への接触は無かったが、ほぼ同じ箇所で1990年代にFJ-1600で同様の事故がありその時には後続車両ドライバー頭部に接触し死亡事故となっている。この事故においても死亡事故に繋がる可能性は大きかった。
● ホイールテザーの必要性
● ホイールテザー金具の取り付け部の強度。(アルミモノコックは表面2mmのアルミ板)
ストラクチャーが無い為ミッション、エンジンがマウントより座屈してドライバースペースを圧迫。モノコック強度も不足している。
リトラクタブルシートでは無いので車外への救出に5分以上を要した。
接触車輌は大破、モノコックはS字状に曲がりサバイバルセルの変形によりドライバースペースを圧迫。ドライバーは入院。
● アルミモノコックの脆弱性
● リトラクタブルシートで無い場合の救出時間
● ドライバー保護パッドでの衝撃吸収
● ADRでの今後の事故への対策
以上の問題を残した。
正面から時速50kmでの衝突で無抵抗に潰れる。
モノコックへ縦方向に衝撃が加わるがUOVA4モノコックは殆どダメージを受けなかった。ドライバーは打撲と鞭打ちで1週間入院。
その後カーボンストラクチャーの開発、販売に至った。
この車輌のモノコックはCFRP製なのでフロントのアルミストラクチャーが潰れたのだが、アルミモノコックのシャシーは車全体がこのストラクチャーと同じ素材なのである。
この他幾つもの安全性上の問題が認められる事例がありながら、安全対策が先送りになっているJAF-F4だが今年から前後2枚のウィングが認められるようになりコーナリングスピードが格段に上がる。
安全対策を先送りして性能向上を先にしたF4協会の決定とJAFの決定には疑問が持たれる。
重大事故がいつ起きてもおかしくは無い状況である。
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