ZAP SPEED RACING TEAM |
スターティンググリットドに着いた時にはレースの8割は終わっている。 『これからレースが始まるというのに何を言ってるんですか??』 まあ、そう思うのも無理は無い。 スターティンググリッドにマシンを並べる時には当然予選の順位で指定の場所が決められている=指定席なんです。 さて、その様に予選の1ラップにマシンのコンディションを整えて行っても、金曜日の走行などからセッティングの方向を見いだしておかないと前回レースと気温や湿度が違えば同じようには動いてくれません。まあ、コンディションが違えば全く同じを目指しても仕方なく、むしろ現在のコンディションに合わせた今回のセッティングを求めて行くという事になります。 このセッティングを煮詰めていくという作業はいろいろと経験が要り、先ずは車の動きがキチンと把握できなければお話になりません。これは結果としての動きだけでは無く、タイヤの撚れや潰れもや僅かなズレも感じ取れなくてはいけません。 感じるだけでは駄目です。感じたことを正確にエンジニアに伝えられなくては車は良くなっていきません。このコミニュケーション能力も日頃から磨いておかなければなりませんし、自分の担当のエンジニアとの意思疎通も大切な要素になります。 そしてそして、エンジニアとの意志疎通OK、セッティングOK、マシンの準備OK、クリアラップOK(コース上に邪魔になる車が居ない)としても、さらに事前に必要なことはあります。 肝心な自分自身が準備できているのか?ということです。 たとえばどんな大投手でもいきなり自分の最速の球は投げられませんし、そんなことをすれば怪我をするのでウォーミングアップ無しに全力投球なんてする訳もありません。十分なウォーミングアップがあって初めて全力投球が出来るのです。 だからドライバーにとってスターティンググリッドへ向かう直前は非常に忙しい時間でもあります。スポンサーさんや当日応援に来て頂いた後援者へ挨拶もあるし(レース時間に合わせていらっしゃる方が多い)、レースオーガナイザーによるドライバーブリーフィング(主催者による参加者への注意説明)もあるし、ウォーミングアップもしなくてはならない。エンジニアとの作戦の確認や、グリッド上でメカニックに確認して欲しい事の打ち合わせ。前座のレースなどでコース上にオイルや砂利が出ている等最新のコースの情報。グリッドでの紹介アナウンスがあれば手を振って観客の皆さんや応援の皆さんに応えなくてはならないし、カメラにだって囲まれます。 さあ、そしていよいよフォーメーションラップのスタート。 どうです? |
□■ 笹川健志 □■
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