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「エコ」「省エネ」「CO2削減」昨今やたらと耳にするキーワードだ。 そういった事に関心が高いことは大変良いことだと思う。しかし、なんでもそうなんだがブームによって多くの人が感心を傾けると、中にはなんだか偏狂的な人が出てくるものだ。「行き過ぎ」ちゃったり「斜め」になっちゃったり「本末転倒」な人とか・・・。 そんな人達に言わせると「レースは公害を垂れ流す反エコ」なんだそうだ。 レース関係者として聞き捨てならないので一言言わせて貰う。 自動車は現代の社会においては必要不可欠で無くすことは出来ないと思うが、その現代の自動車の燃費向上にレースが如何に貢献したか。アイルトン・セナやプロストの時代、厳しい燃料制限が出来てエンジンコンストラクターは当時の技術を駆使して高燃費エンジンの開発を競い、その技術が市販車に反映された事を忘れてしまったのでしょうか? その前の時代は新素材カーボンファイバーが先端素材として登場し、各シャシーコンストラクターは成形技術を競い合い、短期間に大幅な進歩をさせた。この軽くて高強度を持つカーボンは今や色んな分野でエコに貢献している。 ル・マンでは低公害のディーゼルエンジンの技術競争があるし、遂にハイブリットも登場する。レースは今でも先端技術の試験場でもあるのだ。にも関わらず公害を垂れ流すイメージがあるのは、最近F-1の将来計画がなんだか迷走しているから一般の人に混乱を与えているのかも知れない。 まあ、上の事は上に任せるとして、底辺カテゴリーこそ台数が多いのだから早く将来に向けての低公害エンジンにスイッチするべきだとも思う。それは、台数が多いから問題点が早く洗い出せ、色んな条件で使われ実用性が確認できると言う前向きな部分と、台数が多いからこそ排出ガスをいち早く減らそうという両面からだ。 レーシングドライバーは正確なコントロールを高い次元で安定的に継続出来る能力を求められる。産業技術も人間の技術も戦いによって短期間に高いレベルに進化する側面は必ずある。水泳でも、短距離走でも競争がなかったらここまで人間がスピードを上げる事が出来ただろうか? そうして研ぎ澄まされた技術や感覚を持ったドライバーが運転して初めて些細な性能差が結果となる。へたくそが運転してたらマシンやエンジンの問題なのか、運転技術の問題なのか分からないし、そのたびにブレーキ踏力が違うラップデータでは使い物にもならない。 人間として極限まで運転技術が磨かれた人材が必要なのだ。 エコが叫ばれる今だからこそ、再びサーキットが「先端技術を競う」「近未来の市販車の先行技術開発」の場となり存在価値を認知され、レーシングドライバーも身を以て未来の技術を切り開く子供達のヒーローに戻って欲しい。 (←前のページへ戻る) |
□■ 笹川健志 □■
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