ZAP SPEED RACING TEAM

VOL.5：日本一決定戦・レポート

すべての地方選手権が終わると、ＦＪドライバー達には最後のレースが待っています。
そのレースとは「ＦＪ　日本一決定戦」。全国のＦＪドライバーが、Ｆ４スカラシップを賭けて戦う年に一度のＢＩＧレースです。場所は「鈴鹿サーキット・東コース」。今まで学んだことを、全てを出し切る覚悟で、レースに臨みました。そして僕は、このレースで本当に沢山の事を経験することになりました。

１２月２３?２４日　練習走行
２２日に、愛知県周辺が大雪に見舞われ、交通網がマヒした状態でレースウィークを迎えました。

僕は、他のドライバーより１日早く鈴鹿入りして、コース下見等をしておこうと考えていたのですが、雪の影響で鈴鹿入り出来たのは２３日の１０時頃。早くも予定が狂ってしまいました。サーキットに着くと、コース上の雪を溶かす為に積載車や１ＢＯＸカーがコースを疾走する、奇妙な光景に遭遇しました。先に着いていたチームスタッフと合流。やはり道中は大変だった様です。しかし、僕達のマシンを運んでくるトレーラーの到着が大幅に遅れ、届いたのが夕方５時ぐらい。その為、初日の走行練習が出来ませんでした。
２４日から走行練習開始。時々小雪が舞う程気温が低く、タイヤが全く食いつきません。まるで氷の上を走っている様です。練習の為には、周回数を多く走る必要があるので車が滑るのをしっかりコントロールしなければならないのですが、僕はミスを連発しコースアウトしてばかり。他のドライバーが、順調に周回数を重ねセットをこなしていくのに対し、僕は周回数もセットも全然進まずに気ばかり焦ってまたミスをして・・・と、自分で自分の首を絞めていってしまいました。

１２月２５日　日本一決定戦　当日
公式予選?第１レグ?第１レグ敗者復活
昨日よりも、寒さが和らいだおかげで車のコントロールがし易くなりました。しかし、僕の走りはパッとせず予選は１２番手止まり。後はレースで挽回するしかありません。
第１レグが始まると、コースアウトする選手が多数出る中、着実に順位を上げていきましたが最終コーナーでスピンしてしまい最下位辺りまで転落。すぐに復帰して、挽回を図りますが前を走っていた車が３台続けてスピンしてしまってコースを塞がれてしまい、行き場の無い僕はコース脇のグラベルへ侵入。そこから出られなくなり、リタイヤとなってしまいました。
悔しさいっぱいで迎えた敗者復活戦。グリッドにつくと，Ｆ４ドライバーの大西選手・鴨下選手・安達選手がアドバイスをしてくれたり、栗原（正・宗）両選手・熊谷選手・渡辺選手・丸木選手も声をかけに来てくれて、感謝の気持ちで一杯になりました。レースは７番手からスタートし、４周目には３位に浮上。更に上位を目指していた５周目の１コーナーで、前を走っている選手のすぐ後ろについたのですがその選手が自分の想像よりも早目にブレーキングした為に追突しそうになり、慌てて避けたのですがそのままコントロール不能になりコースアウト→リタイヤとなりました。

第２レグ?第２レグ敗者復活
「もう終わった・・・」そう思ってピットに戻ると、台数の関係で第２レグに出られることが解かりました。
足回りを多少破損していましたが、メカニックの方々が猛スピードで修理してくれたおかげで、第２レグに間に合わせることが出来ました。グリッドは最後列の２９番手。ファイナルレースに進むには１９台抜かなければいけません。気合いを入れてレースに挑みましたが、度々出る「黄旗」と「１２周」という限られた条件の中では、６台抜くのが精一杯でした。でもまだ敗者復活があります！諦めません！！
今度は２５番グリッドからスタート。後ろから３列目です。決勝に進むには最低１５台抜く必要が有ります。そして今日５回目のレースがスタート！今回が１番決まり、１周目で１０台抜くことに成功！！更に前へと思った矢先、ホームストレートで多重クラッシュが発生。レースは赤旗中断になりました。
数分後にレース再開。あと３台抜けばファイナル進出だ！と思っていると、２台前の渡辺選手が最終コーナーでスピン。その横をすり抜けようとした時、渡辺選手が止まりきれず僕の車の右リヤタイヤと接触。僕の車は弾き飛ばされ、サスペンションが曲がってしまいリタイヤ。ここでレースを終えました。

結局僕は、ファイナルレースに残ることが出来ませんでした。レース１年目の締め括りと、来期に繋がる結果を残したかったですが、それも叶わずとても残念です。しかし、この３日間を通して今の自分の実力がどの程度なのか、痛いほどよく解かりました。この経験を、今後どう活かしていくかがとても大事だと思います。
１年間、参戦コラムを書かせて頂いたのですが、レース参戦初年度の自分にこの様な機会を与えてくれたチームにとても感謝しています。最初は、どう書いて良いのか解らず苦労しましたが、おかげで良い経験が出来ました。本当にありがとうございました。

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□■　神谷義之　□■

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