ZAP SPEED RACING TEAM

VOL.2：東北シリーズ開幕戦

２００５年４月、僕はこの時を待ち望んでいました。ＦＪ１６００東北シリーズがついに開幕します。いよいよ「僕のレース」が始まります。

４月８・９日～練習走行～

東北シリーズ開幕戦、そして僕のデビュー戦の舞台は、「スポーツランドＳＵＧＯ」です。ここは初めて走行するサーキットなので、まずはコースを覚える（慣れる）ことが重要です。事前にコース図を見ながら、ライン取り等を予習して来ましたが、実際に走らないと解からない事もあるので、初日は車の状態を確認しながらコースレイアウトを覚え、イメージとの誤差を修正していきました。
２日目は「新品タイヤの感触も覚えておこう」ということで新品タイヤを投入。新品のグリップ力は素晴らしく「これならタイムも・・・」と期待するも、あまり良く有りません。どうやら僕の「タイヤの使い方」に問題があるようです。
そこで、今日トップタイムを出している井川選手を追走して、勉強する事にしました。頑張って追いかけてみましたが、ＳＰコーナーでミスをして車をクラッシュさせてしまいました・・・。
右リヤ側が大破していて走れない状態です。すぐに赤旗が提示されて走行は一時中断。頭を打った事もあり、救急車に乗ってメディカルセンターへ行きました。看護婦さんに「異常は無さそうだけど、今日は安静にする様に」と診断されたので、ピットに戻ることにしました。そしてチームスタッフに状況を報告し、壊してしまったことを謝罪しました。
「フレームは大丈夫だから直せる。」そう言うと、メカニックの人達は黙々と修理を始めました。僕は、頭の中が真っ白で「見守ること」しか出来きませんでした。１人になるとミスした事を思い出し、自分を責めて少し気分が落ちてきました。でも「くよくよ考えても仕方ない」と気持ちを切り替え、首を冷やしながら早めに眠りました。

４月１０日～レース当日～
レース当日、天気は曇り。首の痛みは・・・ありません！しっかりと朝食を食べ、早めにサーキットへ向かいました。PITへ行きマシンを確認してみると、メカニックの方々が昨日の夜遅くまで作業して頂いたお蔭で、僕の車は復活していました！！
本当にありがとうございます！！！
マシンを確認した後、車検→メディカルチェック→ドライバーブリーフィングとレース出場までの予定を済ませ、気合いを入れつつ集中力を高めていきます。いよいよ「公式予選・開始」です！！

公式予選(11:10～25）
マシンは直っても走らせた訳ではないので、昨日までとは微妙なバランスが変わっているかもしれません。インストラクターから「最初は慎重に行け。もう壊すなよ！」と、活を入れてもらい気を引き締めます！
予選序盤はブレーキバランスを再調整したり、車の挙動を掴むのに精一杯で、上手くアタックをまとめることが出来ません。やっと形になりかけた時には１５分しかない予選が終わっていました・・・。順位は３番手ですが、トップとの差は約２秒。
状況は「厳しい」です。

決勝（12Laps）

ついに決勝レース。あとは精一杯走るしかありません！！「前の２台に付いていけば、必ずチャンスはある」と、自分に言い聞かせてスタートを待ちます。グリッド上でメカニックの方に「直してくれてありがとうございます！」と、感謝の気持ちを伝えるとスタートに全神経を集中します。
シグナルが消えてレーススタート！２番手の栗原選手がロケットスタートを決めて先行します。僕は３番手をキープしたまま、前の２台を追い掛ける展開です。目の前で、激しいバトルが展開されているのを見ながら、４周目辺りまではついていけましたが徐々に間隔が開き始め、７周目には完全に置いて行かれてしまいました。何とか追い付こうとプッシュしますが、頑張り過ぎて何度か飛び出しそうに！！しかし、頑張って修理しくれたメカニックの方々の為にも「絶対にチェッカーを受けなければ！」と思い、必死で車をコントロールしました。

結局、前の２台との差を詰められず３位でフィニッシュ。トップ２台との差を考えるととても悔しく、課題の残るデビュー戦でしたが、無事にチェッカーを受けられてメカニックの人達にも顔向けが出来る結果を残せたと思います。
次の第２戦では、しっかりトップ争いが出来る様に頑張りたいと思います！！

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□■　神谷義之　□■

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