ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.39:素質という逃げ道

これまでにZAP SPEEDから巣立っていったOBも上のクラスで活躍し、今年(2007年)のS-GTで活躍しているドライバーだけでも5名を数えている。彼等はまだまだ上を目指しているし、現段階では成功とも思っていないだろうがステップを幾つか登った事は間違えない。

ZAP SPEEDはスクール形式のドライビング指導は行っていないが、やはり運転技術の指導やレースへの取り組み方等様々な指導をしている事には代わりはない。我々スタッフとドライバーは卒業した学校の先生の様にその後は相談相手になる事もある。

しかし、正直言ってZAP SPEEDに加入した全てのドライバーが成功したわけでは無く、むしろ夢破れレースを終えていく場合の方が多い。
自分の思い描いた理想とは違っても、自分の全身全霊を傾けてレースに取り組んでいたOB達は、その後も時折レースの時など我々の元を訪れてくれる。
チャンピオンを獲得出来たドライバーだけが貴重なアドバイスを後輩に贈れる訳では無く、失敗の多かったドライバーはその失敗に基づく貴重なアドバイスを後輩達にしてくれる。言葉少ない性格のドライバーもそっと見守りに来てくれる。
自分の限界まで挑戦し続けたOB達はその結果に係わらず胸を張ってサーキットに来れるのだ。

逆に、自分の甘さに負けた=アスリートまたはコンペティターとして自分を律しきれなかったドライバー達はサーキットに足を向けられなくなる。

無論、結果も伴えば理想であるが、結果が出なくても全てを出し尽くしたのであれば胸を張って生きられるし、人生においては負けでは無い。
逆に情け無いなと思うのは、レース経験が全く無いのに同時期に入ってきたカート経験者と比較して、たった数回の練習でタイムに差があるからと「僕には素質が無いんだ」と諦めてしまう人。
カート経験者はカートで様々な事を学び、場合によっては厳しい経験もしてきている。その頃その未経験者は友達と遊んで居たかも知れないのに、経験差を『努力の量の違い』と捕らえずに『素質』とかたづけて自分がしなくてはならない努力から逃げるのだ。
「素質の差」とは自分の弱さを親のせいにでもしているのだろうか?

人生に置いて最も好きな事へも最大限の努力が出来なかったのなら何をやっても駄目なのではないかと思う。事実、レースでは大きな記録を残せなかったOBでもレースを自身のBestの限りやり遂げた奴らは現在他の仕事についてもそれなりの成功を見せている場合が多いが、サーキットに足を向けなくなった連中のその後の噂は余り良い事を聞かない。仕事においても誰かのせいにしたり、「素質が無い」と勝手な逃げ場を作って現実から逃げているのだろうか?

プロを目指すのであれば結果が全てだ。しかし、結果を残そうとしたらその過程となる日々の努力を最大限しなくてはならない。日々の努力を最大限しても結果が伴わなければプロという粋に達せないだろう。
但し、同じ失敗でも最大限の努力をするという事を覚えている事になる。最も大切な事だけは収穫にしているのだ。

やるなら一生懸命やれ。
過程の段階で「素質」なんてわかるか!

プロを目指すのなら一生懸命なんて当たり前の事だから、一生懸命は何の評価にもならないが、自分の中にその経験は残る。
きっと人生の終幕に近づいてきたらその経験が最も貴重な事に気が付くと思う。



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□■ 笹川健志 □■
マネージメントディレクター。チーム運営に手腕を振るう。自分がレースするはずだったのが、いつの間にかレースを目指す若い連中の面倒を見る事に…。内間監督と供に「一蓮托生」理想のチーム創りを目指します。 理想のチーム作りと言うのは皆さんの理想をかなえること。「自分達の時代にもあったら良かったのに!」っていうチームを創る事。 チームが徐々に理想に近づいてゆくのが生き甲斐です。







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