ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.31:マネージャーの忙しい季節

今年度のレースも後少しでシーズンが終わります。

マネージャーにとってはストーブリーグのシーズンインという方が相応しい時期です。来年度のシーズンを迎える際に、どれだけ準備が出来ているかによって大きく成績に係わって来るのは想像が出来ると思います。これはチーム全体の事もありますが、一人一人のドライバーマネージメントでも頭を悩める季節なのです。

ステップアップと言うのは上級カテゴリーに戦いの場を移す事で、レーシングドライバーにとって大きな前進であり、夢を叶えるには必ずいくつかのステップアップを必要とします。レースを開始した時からF-1ドライバーという人は居ないのです。このステップアップは実力とタイミングによって次のステップでの成功の可否が大きく違って来ます。
若いドライバー達はなるべく早いステップアップを望むのは当然なのですが、前のステップで一勝もしていないドライバーが見切り発車的にステップアップしても、上級カテゴリーで成功するのは至難の業です。まあ、振り返って見るとZAP SPEEDでは岸剛之選手がFJ-1600で未勝利ながらF-4にステップアップしてチャンピオンを獲得した経験もあるので一概には言えませんが、優勝しうる実力を付けてから次のステップに移行するのが正道だと思います。

さて、現在のカテゴリーの構成を見てみると、右図のようになっています。カートの全日本で優勝する実力が有り上位にランクされ、メーカースカラシップの対象年齢である様でしたらF-TOYOTAかSRS-FもしくはFDにステップアップするのが近道でしょう。その条件を満たさない方はFJ-1600もしくはF-4から4輪フォーミュラを開始するのが良いと思います。

また、カートの経験が無くフォーミュラからレースを始めるという方でも遅くは有りません。F-NIPPONドライバー土屋武選手やGTドライバーの田中哲也選手、元F-1ドライバーの片山右京選手もFJ-1600からキャリアをスタートさせステップアップして行ったのですから。

FJ-1600は入門カテゴリーと言われますが、カートからのステップアップ、ハコ(ツーリングカー)レースや、ジムカーナ、ダートトライアルといったスピード行事、ドリフトやグリップの走り屋が集まって来ますので、上位を走るとなるとかなり真剣にやらなければなりませんが、FJ-1600で初めてレースを始めたという人でもチャンピオンになった人は多くいます。
これからレースを始める人で、18歳以上で普通免許を持っているのならFJ-1600と言うことになるでしょう。
18歳以下の方はカートをやるのが一番です。特に16歳以下の場合は16歳までにカートの全日本選手権に出場し、上位の成績を修めると限定A級ライセンスといって、普通免許取得以前から4輪のレースに出られるライセンスが与えられるので、早い段階のステップアップが可能です。しかし、十代前半でカートを開始し全日本選手権までステップアップするには恵まれた環境に生まれなくては資金的に難しいのが事実だと思います。18歳を超えているのであれば早くフォーミュラに乗る事をお勧めします。全日本のカートを1シーズンやるよりFJ-1600を1シーズンやる方が資金的にも安価ですから。

23歳を超えた方はFJ-1600の次のステップはF-4が良いと思います。
F-TOYOTA,F-D等のF-3スカラシップに該当しないからです。F-4はF-TやF-Dの1/3〜半分ぐらいの資金で出来る上に、筑波サーキットで昨年同時開催された際ラップタイムはF-Tマシンより2秒程速かったのでコストパフォーマンスに優れます。但しスカラシップが無いので、スポンサー活動は一生懸命にやらなくては次のステップF-3に進む事が出来ません。

世界中のF-3は同じレギュレーションで行われ、シリーズはユーロF-3シリーズ、イギリスF-3シリーズ、全日本F-3が3大シリーズとなっており、年に何回かの世界戦があります。
全日本選手権ではミドルフォーミュラからステップアップしてきたドライバーに加え、メーカー系のワークスチームが海外から呼んだドライバーが参加します。このワークスドライバー達は海外の各シリーズで上位を走っていたとか、世界戦で上位を走っていた、場合によっては前年度別のシリーズでチャンピオンを獲得した等ハイレベルなドライバー達です。このドライバー達と戦う事によって切磋琢磨し、世界に通じる実力を身につけて行くことが出来ます。これを証明するように近年ではマカオ等の世界戦で全日本F-3に出場しているドライバーが上位でフィニッシュしています。

F-3で上位を走る実力を見せられれば、G-Tの乗車やF-NIPPONへのステップアップ、海外でのF-3挑戦等の選択肢から進路を選ぶ事になるでしょう。F-1ドライバーの多くもF-3からステップアップしていますので、F-1も現実味を帯びて来ます。こういった各段階のドライバー達の今後を考え、最良の選択肢を見つけ、スポンサー獲得や資金繰り等調整を行う季節なのです。

目が回る程忙しい季節の到来です。(@_@)



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□■ 笹川健志 □■
マネージメントディレクター。チーム運営に手腕を振るう。自分がレースするはずだったのが、いつの間にかレースを目指す若い連中の面倒を見る事に…。内間監督と供に「一蓮托生」理想のチーム創りを目指します。 理想のチーム作りと言うのは皆さんの理想をかなえること。「自分達の時代にもあったら良かったのに!」っていうチームを創る事。 チームが徐々に理想に近づいてゆくのが生き甲斐です。







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