ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.19:もてぎ第4戦

今回のレース前、自分の意識を変えた出来事がありました。

まず一つ目は、チームOBで現在S-GTに参戦中の方にご指導を受けたことです。僕の走りを見て「速く走ろうとする気持ちが伝わってこない。クルマが安定するのを待つんじゃなくて、自分でねじ伏せろ」と言われ、自分のマシンコントロールに対する意識がいかに甘かったかを痛感させられました。アドバイスを頂いてから改めてその方の走りを見ると、立ち上がりで縁石から飛び出ようが、グラベルに片輪落としてでもアクセルを踏んでくる様は本当にカッコ良く、目に焼きついてます。誰が見ても攻めてるって感じの走りです。
また、その後の練習でインストラクターに「自分の限界を上げるにはそれなりの代償はある。でもそれを恐れてトライしないのはレーシングドライバーじゃない、自分の限界以上の事が出来たところに'楽しさ'があるんじゃねーの?」と言われ、ドライビングテクニックの向上に不可欠なレーシングドライバーとしての気持ちの持ち方を学びました。

二つ目は、人生初のF1GP生観戦です。寒い雨の中、カッパ1枚だけで夜中から7時間も富士スピードウエイのゲート前で開場を待ち、正直、帰ろうかなと思うほど寒かったけど、その甲斐がありました。
あの音、あの速さ、あの度胸、全てが想像以上でした。コース上は大雨で前は全然見えないし、路面も全くグリップしないはずなのに、なんであの勢いで突っ込んで鋭くフロントを入れてコーナーリング出来るのか???とにかく凄すぎでした。
ライコネンの強気の走りを観て「あれだよな」と自分に問いかけたり「将来あれに乗るんだろ!?何S-FJなんかで手こずってんだ、オレ!!」と言い聞かせたりと、F1が爆音で自分の前を通り過ぎる度、いろいろな思いが自分に宿ってきました。

と、こういう出来事が今回の第4戦前にありました。ライコネンみたいな走り、人より速く走ろうとする気持ち、自分の限界を超える楽しさ、この3つが僕の中で一つに繋がりました。「あういう風になろう!!」とスッキリ、ハイテンションでレースを向える事となりました。
また、地元からの応援バスツアーで40名もの方達が観に来ることになったので、下手な走りはできません。いいプレッシャーであり、他の選手にはない自分だけの最大の秘密兵器です。
「観に来てよかった、また来よう!!」と思ってもらうためにも自分がやんなきゃダメです。


レースウィーク
金曜日の1セッション目からガンガンいきます。
乗り始めから調子良いなと感じ、それがタイムにも表れていたので、自信を持ってどんどん攻めていくことができました。セットを変えて変化を感じたり、いい感じでクルマをセットアップしていきました。あるコーナーでは自分だけが全開でいけるセットを見つける事もできました。このコーナーがレースのポイントになるだろう!!って感じです。「明日はやったるぞー」と今日の走りを頭に叩き込み、明日のレースに備えて爆睡です。


予選
一番先頭でコースイン。コースとマシンを確かめて、徐々にペースを上げていきます。タイムが上がってきたところで猛プッシュ!!ピットのメカニックも手を上げて「もっとイケ」の合図。「絶対ポール、誰よりも速く!!」と思い続け走りました。結果は開幕戦のタイムを大幅に縮めて自身初のポールポジション獲得!!今までレースをやってきて一番嬉しい瞬間でした。

予選に間に合わなかったバスツアーの方たちへ電話でポール獲得の報告。バスの中も大盛り上がりです!!

でも、もっと速い人が乗ったらもっと速いタイムで走っていたかも?と考え、すぐさま走行データをチェックです。すると、ブレーキの使い方が前日よりも荒くなっていることが判明。データを前に色々考えていると「お前は考えたってダメ、とにかくイケ!!でも最初は気をつけろよ」とのアドバイス。

残るは決勝、そこには予選よりもさらに盛り上がったテンションの僕がいました。


決勝
応援ツアーのバスも到着し、いいところを見せようといつもより大げさにアクセルをあおってコースイン。前に誰もいないフォーメーションラップは最高です!!
そして、レーススタート。少し出遅れてしまい、2位の選手にイン側へノーズを入れられてしまいます。さらにアウト側から後続車が迫ってきました。これに焦ったのか1コーナーでブレーキングミスを犯してしまい、オーバーランしてしまいました。マシンはコース上で留めたものの4位までポジションダウン。やってしまいました・・・。さらに3周目、例の自分だけ全開でいけてるコーナーで差を縮めようと勢いよく進入。しかし、勢い余ってタイヤをグラベルに落としてしまい、タイムロス。これで6位までダウンです。

去年の僕はこんな風に序盤でミスを連発すると最後まで引きずってしまい、その流れを断ち切る事は出来ませんでした。でもこの日のレースはこのミスで逆に落ち着きました。もうダメだと考えては運も遠ざかってしまいます。ここでのマイナス思考は厳禁です。何事もプラス思考と本で読んだのを思い出し「舞台は整った、ここからが見せ場でしょう!追い上げで観客を盛り上げてやる!!」とプラス思考で走っていきます。
トップグループよりも速いタイムを刻みながら1台また1台と確実にパスして4位まで回復。レース中盤、僕を含めた4台が一気にテールトゥノーズ状態になりました。するとここで、このプラス思考が運を引き寄せたのか1位と2位が接触し、トップを走っていた選手がスピン。これで3位にアップです。これでペースが乱れた2位も次のストレートでオーバーテイク!!あとは1位だけです。

トップは目の前!最終コーナーでキッチリ合わせてホームストレートでスリップストリームにつき、横に出てブレーキング勝負!!タイヤをロックさせながらコーナーに入っていき、パッシングに成功!!1位を取り戻します。
ここからは2位を引き離しにかかりました。去年のレースで3位走行中、頭の中に初表彰台がチラつき、守りの気持ちを持ったせいでファイナルラップで抜かれたという苦い思い出があります。これを繰り返さない為にもどんどん攻めました。もう自分との戦いです。10周目、ベストラップを出し、そしてトップチェッカー!!念願の初優勝です!!!

応援に来てくれたみんなの前でシャンパンファイトとガッツポーズ。前回の3位の時よりも堂々とやりました。最高でした。
今回来れなかった方にもすぐに電話で報告。練習時代にお世話になったメカニックの方にも電話で報告「お前が優勝!?本当か」とビックリされましたが「おめでとう」の一言がとても嬉しかったです。
バスツアーの人たちに胴上げされ、感激です。「来てよかった!」とみんなに喜んで頂き、本当に嬉しい思いでした。
でもこれに満足せず、セナだったら、シューマッハだったら、ライコネンだったらきっと格違いの走りをしているはずだと考え、これからも自分の限界を引き上げていこうと思います。他の選手と比べて、まだまだシフトが下手だし、ブレーキの使い方も荒く、この2つは明らかに改善が必要です。

シリーズチャンピオンの可能性も残っているので次回の最終戦は大勝負です!!それまでに自分の限界にどんどんトライしてドライビングの次元を上げていきたいと思います!!同期の仁木選手が最終戦を残して FJ1600もてぎシリーズのチャンピオンを決めたので、僕もあとに続きたい気持でいっぱいです。
チーム関係者、サポーター全員に感謝しております。ありがとうございました。




最後になりましたが、この度、チーム関係者、チームメイト、バスツアーの参加者、レース出場者、主催者、サーキット関係者に大変ご迷惑をかける事をやってしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。本当にすみませんでした。
休憩中の事とはいえ、浮かれていた自分の考えの甘さ、情報収集、準備不足が原因です。ルールあってのスポーツだとキツク言われ反省しております。これではせっかくの優勝も台無しです。
走るだけがレースではないこと、ルールがあるから成り立つことを学びました。本当に申し訳ありませんでした。二度と繰り返しませんので、また応援宜しくお願い致します。



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□■ 小山圭 □■
生年月日:1984.11.1
血液型:B
出身地:福島県

2003年
FJ1600練習開始

2006年
FJ1600もてぎシリーズ参戦











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